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観光(佐渡、妙高)と産業へのプラス効果
信越線は、新潟県に初めてひかれた鉄道であるということを、知っているひとはいったいどの位の割合で上越にいるのでしょうか?
現在では新幹線が中心となってしまい、かつての信越線は、長野新幹線により廃線区間などが発生し、運航区間もとぎれとぎれで名ばかりの残骸となっています。
もっぱら鉄道マニアのなつかしき鉄道黎明期の記事などになるのが、昨今の信越線ですが。
信越線が出来た時期には、直江津港までの引き込み線もあったようで、対岸のロシア、中国、朝鮮などからの物資も直江津港を経由して入ってきていました、さながら新潟県の発展の中心というところではなかったでしょうか。
残念ながら、今は昔の感が強く、佐渡航路も閑古鳥が鳴いている始末、直江津港が産業の発展にからみ、交通網がそれに伴い発展するといった形が望ましいのですが、火力発電所の計画のほかにあまり景気の良い話は、最近聞いたことがありません。
上越は、佐渡への窓口であり、また妙高山を中心とする上信越国立公園の麓の都市であることから、上手に航空路からこれらの地域への結びつきをつけることも非常に大事なことと言えます。
【新潟の屋形船】
新潟市に目を向けてみると、面白いものがあります、航空路は新潟空港があり、
新幹線は、新潟駅が始発であり、航路は新潟港がある、やはり3点セットがそろっている都市では、遊びの世界でも、「屋形船」といたものが出てきているのです。
東京では、お台場のサンセットクルーズやお花見シーズンの隅田川屋形船など有名で、最近では若い人たちもこのようなちょっと洒落た遊びを手軽にできるようになり、それなりにこの業界も繁盛をしているようです。
残念ながら、新潟のほうはいまいちの繁盛のようで、現在はただ1社しか営業をしていないようですが、折がありましたら是非ご試乗いただきたいものです。
航路有り、空路有り、鉄路ありの条件がそろえば、情緒的な遊びの世界も生まれてくるようになり、それだけ商業や文化に幅が出来てきます。
そのことが、都市を有機的に活動させるエネルギーともなるのではないでしょうか。
【長野との結びつき(上越は長野の玄関)】
毎夏、直江津海岸の駐車場では長野ナンバーや群馬ナンバーの車が非常に多くみかけられ、もちろん海水浴シーズンではなくとも通年を通して海のない県からの車を多く目にします、距離的に一番近い長野との結びつきを強くすることも今後の上越地域発展の課題といえます。
ある人の説によりますと、新潟県上越市ではなく、長野県上越市の方がより街は発展するだろうし、新幹線の建設計画にしても、既存の直江津駅通過を基本とした案が最優先されただろうと言う人がいます。
その理由は、上越に住んでいる人より長野の人の方が、上越の海、直江津海岸そして「直江津駅」などに対する愛着が高いからだといいます、なんとも情けない話で筆者はそうは思いたくはないのですが、最近の上越市議会では並行在来線の問題が出てきています、新幹線の駅が直江津に普通に入っていれば在来線の強化はおのずと必須となり、問題は生まれなかったのではないでしょうか。
【1県3空港の優位さ】
空港は一つの県に多くある方が便利であり、航空機がより人の足に近くなるに従い1県における空港数の要求は多くなると予想されています。
現実に米国は、5000余りの飛行場が各州にあり政府の航空運輸政策の基本となっているからです、目的の都市に短時間で到着でき、ビジネスチャンスもそれに伴い増加してきています、ビジネスジェット時代の米国とは比較すべきではないかも知れませんが、現在新幹線の上越駅が脇野田付近にできて、東京都の連絡時間が最短2時間4分から1時間35分に短縮されようとも、航空機とは比較にならず、例えばそれはたった30分で羽田に着いてしまいます。
現在日本では、国土が狭く航空路もそれほど太くとれない等の事情から、無制限に飛行場を作ることは当然出来ないのですが、どんな小さな飛行場でも、出来るだけ早く上越地域に飛行場の確保をしておくことは、これからの上越地域にとって非常に大事なことだと考えています。
県内に3空港とは、新潟、佐渡、上越、ということですが、既存の佐渡空港は現在の乗り入れは旭神航空ただ1社であり、滑走路も短いため、ビジネスジェットの離着陸は不可能とされています、ただ1500mほどに増やすだけで小型ジェット機(60人乗りくらいまでのジェット)が離着陸できるようになります、このことは佐渡が国際会議や重要な催しなどを開催できるようになるだけでなく、今後、観光においてもビジネスの幅が増大することになるでしょう。
それは、ハブ空港を介した間接的な移動ではなく、ポイントtoポイントの都市間空路が今後の主流となりつつあるからです。
【最近の日本の航空産業界でも大きな動き】
もちろんエアバスA380のような新鋭の2階建て大型機が必要な航空路も存在しています、例えば日本の羽田−千歳間の航空路は世界でも有数な過密ラインで1日に50回以上の定期便が飛び交う、超過密ドル箱ラインとして有名です。
このようなラインでは、従来の大量輸送を目的とした大型機が今後もフラッグシップ機として活躍するでしょうが、他方でアジアの小都市間や新興国でこのようなリスクの大きい機体を必要とはしていません、機体が大きければそれだけランニングコストがかかり、定員も一定の乗客数が保証されないことには、たちまち赤字路線に転落してしまうからです。
そのような中小型機の需要に応えるべき、日本の航空機産業が始めています。
初の国産旅客機YS−11が日本の空からリタイアしたのはつい先日のことですが、定員が60人から90人までの今後の航空機需要に見合った機体が三菱重工から発売予定とのこと、ただ日本の航空機産業は、戦後世界から大きく出遅れてしまったことの影響を大きく受けており、苦戦を強いられていることが実情のようです。
日本の航空機が世界の空を商業ベースで飛び回る日が来るかどうかは、三菱重工や日本の航空産業全体の努力にかかっているとの見方が大勢を占めていますが、ボーイング社やヨーロッパのエアバス社の独占を阻止できるか、興味の尽きない話題となっています。
左の写真は日の丸ジェットMRJ(三菱リージョナルジェット)の外観です。
日経ビジネス 2007年6月18日号14ページより抜粋
三菱重工は6月18日にパリで開幕する国際航空ショー(エアショー)にMRJの客席の実物大模型を出展する。世界の航空関連メーカーが技術や製品をアピールするエアショーで、MRJに対するエアライン各社の反応を探り、今年度末をメドに事業化の可否を決定する。
国産プロペラ機「YS-11」が昨年秋に引退したことで、「日の丸ジェット」の実現は官民を挙げた悲願となっている。航空畑出身の西岡喬・三菱重工会長がこの4月、「2期4年」という在任期間の不文律を破って留任したことにも、MRJに対する同社の強い思い入れがにじむ。ただ、MRJの開発費は約1200億円にも上り、350〜400機が売れなければ元が取れないと予測されるだけに、事業化の決断は慎重にならざるを得ない。
三菱重工のある首脳は「事業化には3つの大きな課題がある」と打ち明ける。その3つの課題とは「国内での数十機から100機程度の先行受注の確保」「機体保険料の負担削減」と「国による支援獲得」。これらは航空機の新規開発にほぼ共通する課題だが、三菱重工にとっては、中でも先行受注の確保が頭の痛い問題となっている。
航空機の開発には莫大な開発費がかかるため、メーカーは完成前にエアライン各社からある程度の注文を取る。
日本航空機開発協会によると、MRJクラス(70〜90席程度)の中・小型機の新規需要は、2026年には世界で4899機に拡大するという。三菱重工としては、
まず国内販売で信頼を勝ち取り、その追い風に乗りたいところだが、肝心の日本の市場環境は非常に厳しい。
日経ビジネスの記事に、60席から90席クラスの航空機需要の予測がありましたが、それと並列して今後はこのクラスの飛行機が離着陸できる飛行場も世界規模で増えてくることが予想されています。いままで、空路を持たなかった都市も直接海外の都市と連結できることの必要性を模索し始めています。
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